2006年11月21日

黙示録の日まで3

薄暗い大聖堂に、一人の美しい少女が鎮座する。待ち人の来訪を待つ、ジャッジメント・エンジェルである。
少しして、大聖堂の扉が開く。軍師、ホワイトヒート・エンジェルだ。

「ジャジ姉、どうだった?」
「・・・・断られました。あの娘の意思を継いで行かなければならないと・・・・あの娘、すごく辛そうな顔をして・・・・でも貴女の作戦に支障が出るかも・・・・やはり強制すべきだったでしょうか・・・・?」

ホワイトヒートは一瞬ぽかんとすると、カラカラと笑い出す。

「ハッハッハ!断られちゃったか!ククク・・・・そっかそっか、なるほどねぇ・・・・」
「何がおかしいのですか!?」

一人勝手に納得し笑い転げるホワイトヒートにムッとしたのか、少し強い口調でジャッジメントがそれを咎める。

「ごめんごめん・・・・クク・・・・・・いや、ジャジ姉はよくやってくれたよ。そこは退いて正解。強制じゃあ、意味がないからね。そっかぁ、断ったのかぁ・・・・・・」

笑いをこらえきれず腹を抱えるホワイトヒートを見て、ジャッジメントの頭に疑問符が浮かぶ。

「えと・・・・アレでよかったのですか?てっきり私は、またなじられるものかと・・・・」
「ああ、今のところはね。いまいち統率のとれていない赤に対し、こちらの戦況は申し分ない。ジャジ姉が私の言ったとおり、量産型ゴーレムを中心とした部隊を編成してくれたおかげだよ。恐らくそろそろ黒の異端者共と手を組むはずだから、緑の連中と話をつけといてね。利害は一致するはずだから、断られりゃしないよ」
「緑の住人と?ですが彼らの文明は酷く原始的です。それは断られはしないでしょうが・・・・メリットが薄いのでは?」

ホワイトヒートは笑みを崩さないまま続ける。

「あいつらの戦力には、たいして期待しちゃいないよ。適当に戦力を与えて、好き勝手やらしといてよ」
「だから、それならはじめから同盟など組まずとも良いのでは?それならば青の大陸と同盟を結ぶべきです。彼らの技術力ならば、きっと大きな戦果を与えてくれます」

いつまでも真意を明かさないホワイトヒートに、ジャッジメントは若干イライラしつつ質問を続ける。

「うんにゃ、奴らは誰とも組まないよ。図々しくも、漁夫の利を狙ってる。それこそ、あっちには私達と組むメリットが無いね」
「ですから先を言いなさい!!怒りますよ!?」

ジャッジメントが声を荒げる。そこには、普段大衆の前での凛としたシングルナンバー・エンジェルとしての面影は無い。

「オーロラウォール」

ジャッジメントの頭に、さらにもう一つ疑問符が浮かぶ。

「あれは運用コストに問題があって凍結中のはずですよ?あ、ひょっとして部分部分に小規模なオーロラウォールを展開するとか・・・・」
「いや、全展開だ。このホーリークリスタル・エンパイアを、まるごと覆う。緑の連中の持つエネルギーとそれを発生させるテクノロジーを頂けば、十分おつりが来る」

ジャッジメントがなるほどと手を打つ。

「奴らは文明こそ原始的だが、持て余してるエネルギーとあそこに眠った遺跡たちには十分利用価値がある。私達の防衛力は比較にならないほど跳ね上がるよ」
「ですが、そう簡単に貴重な資源を差し出すでしょうか?同盟とはいえ、異大陸です。出し惜しみをするのが目に見えているのでは?」
「だ・か・ら、あいつらが本格的にヤバくなったところに話を持ち出すのさ。これは同盟であって同盟じゃない。対等な立場じゃないんだよ。奴らの大切な森が侵され、赤と黒の同盟によって水増しした軍勢に喘いでいるところに・・・・それこそ“天使”の如く手を差し伸べてやるのさ。助けてやるから資源をよこせ・・・・ってね。実際、エルフの重役共が暗殺されて、奴らは今あっぷあっぷのはずだよ。どうせ後で膨大な資源が手に入るんだ、ゴーレムをバンバン量産しちゃいな。同盟のタイミングは私が見計らう。あとはジャジ姉の仕事だよ・・・・クク・・・・・・」

ホワイトヒートの立てた作戦に、ジャッジメントは驚きを禁じえない。彼女は一体、どれだけ先を読み動いているのか。有能な名参報を頼もしく思う反面、危うくも思う。
ピースキーパーの死亡報告以来、彼女はまるで別人だ。姿見や振る舞いこそかつての彼女と変わりないが、腹の底が読めない。
以前のそれとは違い、真っ黒な何かが渦巻いているかのような不安さを覚える。
まるで、常人には図りえない、何かとてつもない野望を抱いているかのような・・・・・・。

「話がそれたね。アポカリプスのことだけど・・・・今は放っておいていいよ。現段階では、戦場に出撃して欲しいっていうこっちの意思を伝えておくだけでいい。クク・・・・何も心配する事なんかないよ、ジャジ姉。あの娘はいずれ、自分から望んで異端者共を狩る・・・・・・不安に昇華した悲しみが怒りに、そして奴らへの見境の無い殺意へと昇華するのを私達はただ待てば良い。
復讐心が生み出す力の爆発力は絶大だ。ゆっくりでいい、あの娘の不安の種に水をまいてやろう・・・・クク、楽しみだよ、怒りに揺らめく炎が異端者共を消し炭に変えるのに、そう時間はかからない・・・・・・」

ジャッジメントは確信する。ホワトヒートの怒りは、すでに別のものへとすり替わっている。
異端者を滅ぼす事に愉悦を見出している。この少女は、この怒りに狂った天使は、一切合切“なにもかも”無に帰してしまいたいのだ。
そのためならば何でもするだろう。たった今ジャッジメントを操ろうとしているように、自分を取り巻く全てを利用する事に躊躇しないだろう。
そう、それがたとえ我らが絶対の神、マザーパレスであろうとも。

「そんなっ・・・・そんなことは許しません!!自分の大切な後輩を、操り人形にするつもりですか!?“からっぽ”の操り人形に!!貴女のやろうとしていることは、あの娘の心を壊す事なのですよ!?そんなことは決して許されません!!」
「ノン!!これは戦争だよ、ジャジ姉。私はシングルナンバー・エンジェルとしての返答が聞きたいんだよ、感情論に振り回されるな」

悪鬼のような表情で睨みつけジャッジメントがたじろぐのを見ると、にっこりと微笑みその顔に両手をそえ、ジャッジメントの唇を奪う。
突然の出来事にジャッジメントの頭は真っ白になる。思考を立て直そうにも、口内を犯す舌と流れ込む唾液が、ジャッジメントの思考力を奪ってゆく。
プハッ、とホワイトヒートが唇を開放する。ジャッジメントは荒い呼吸を整える事もせず、互いの唇を繋ぐきらめく糸をぼんやりと見つめる。
ホワイトヒートがジャッジメントを抱きしめ、耳元で囁く。

「知ってる?みんなジャジ姉を憎んでるんだよ・・・・・・間接的にピースキーパーを死に追いやったジャジ姉を・・・・・・サウンドマスターも、アポカリプスも、みんなみんな・・・・・・大丈夫、私が守ってあげるよ・・・・今までだって私の言ったとおりにすれば、みんな上手く行ったろう?大丈夫、全て私に任せて・・・・・・ね?ジャジ姉にはもう、私だけなんだから・・・・・・」

その言葉にジャッジメントが涙を零し、きつくホワイトヒートを抱きしめ返すのを感じて、ホワイトヒートはニヤリと口元を歪めた。



















百合とか大好物ですよ、はい。

ニックネーム ある at 14:58| Comment(0) | TrackBack(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月20日

黙示録の日まで2

「・・・・・・調子はどう?」
「あ・・・・先輩」

白一色で統一された病室に、二人の少女の声が響く。
一つは先日、ピースキーパー・エンジェルの弔い合戦に参加し、
ただの一撃で赤の大隊を滅ぼした幼き天使、サウンドマスター・エンジェルのものだ。

「随分と・・・・・・無茶をしたらしいね・・・・」

そしてもう一つの声の持ち主。ピースキーパー・エンジェルの同期にして親友でもあった少女アポカリプス・エンジェルが、全身にチューブを付けベッドに横たわる音匠の天使に、
怪我でも我慢しているかのような悲痛な眼差しで問いかける。

「はは・・・・ちょっとはりきり過ぎちゃいました。でも成果はありましたよ。たった一発でやっつけてやりましたよ!あんなにたくさんいたのに情けない。所詮はお正月とかに一緒に過ごす相手のいない奴らの集まりですよ!」

サウンドマスターが上体を起こし、冗談めかすように笑うが、アポカリプスは先刻の表情のまま笑わない。

「・・・・・・サウンドマスター。死んだ人を悪く言うものじゃないよ・・・・・・・・」

アポカリプスが咎めると、サウンドマスターはあからさまに不愉快そうな表情になる。

「先輩・・・・本気で言ってるんですか・・・・?あいつらはピースキーパー先輩を殺したんですよ!?虫も殺せないような人だった・・・・いつだって自分の事より他の人を心配してるような人だったじゃないですか!!なんでそんなこと言うんですか?親友だったんじゃないんですか!?マザーもあいつらとの全面戦争を宣言した。もう敵なんですよ!!」
「・・・・サウンドマスター!!」

病室に沈黙が漂う。サウンドマスターは目に涙をため、肩で息をしながらアポカリプスを睨みつける。

「・・・・・・仇討ちなんかしたって、ピースキーパーは喜ばないよ・・・・・・・・」

その言葉を聞くと、サウンドマスターはそのまま泣き出してしまう。

「だって・・・・・・悔しいじゃないですか・・・・・・あいつらは先輩の言葉に耳を貸さず、伝道部隊に集中砲火を浴びせたんですよ!?絶対に許せません・・・・・・」
「・・・・きっと何か理由があったんだよ・・・・・・」
「太古戦争のことですか!?確かに昔ご先祖様たちはあいつらをたくさん殺したかもしれません。でもあいつらだって、ご先祖様たちを同じくらい殺したじゃないですか!!昔のことをいつまでも根に持って・・・・・・それともなんですか?先輩が先に攻撃したとでもいうんですか!?それこそあり得ません!!先輩の任務は教義を広める事、戦闘が目的じゃありません!!」
「・・・・落ち着きなさい、サウンドマスター」

アポカリプスの制止に、ようやく怒声が収まる。

「ごめんなさい先輩・・・・・・。先輩だって辛いはずなのに私・・・・。ピースキーパー先輩の意思を継ごうとしてる先輩に向かって・・・・・・」

──そうだ私は・・・・・・残された私は、ピースキーパーの矜持を継いでいかなくちゃいけない。
しかしそこに疑念が入る。でも・・・・それじゃあ私は、ピースキーパーが殺された事に怒ってはいけないのか?
サウンドマスターのように、弔いに身を投じてはならないのか?確かにそんなことをしても、ピースキーパーは喜びはしないだろう。
ならば私は部屋の隅で膝を抱え、ピースキーパーに訪れた理不尽な死にそっと涙をこぼしていれば良いのだろうか?
誰も悪くはないと、肩を震わせて泣いていればピースキーパーは満足なのだろうか?

───私が死んでも、ピースキーパーはそうするのだろうか─────

「・・・・・・先輩?」

サウンドマスターの声にふと我に返る。

「いや・・・・私も言い過ぎたよ・・・・・・。サウンドマスターの気持ちは痛いほど分かるよ。本当は私だって・・・・・・」

────ぞく。
私は今・・・・何を言おうとした・・・・・・?
違う・・・・・・誰も悪くなんかない・・・・・・赤の住人も・・・・・・・・サウンドマスターも、ジャッジメント様も・・・・・・私だって・・・・・・。

──ガチャ。

「随分と慈悲深いな、アポカリプス。まるで聖母マリアのようじゃないか、ええ?黙示録の天使」

突如ドアが開く音と共に浴びせられた言葉に、アポカリプスは反射的に後ろを振り返る。

「ホワイトヒート様・・・・・・」
「お、お見舞いに来て下さったんですか?そそそそんな私・・・・」
「そんなに恐縮するなって、サウンドマスター。昨日はご苦労だったね、ほれお土産だ。メロンって言って、緑の大陸のそれはもう美味しいフルーツらしいよ。今切り分けるから、みんなで食べよう。あ、ここ禁煙だっけ?」

ホワイトヒート・エンジェル。アポカリプスとサウンドマスターの大先輩だ。
いつもおちゃらけていて酒も煙草も大好物と素行に問題があったが、トップクラスの成績でエンジェル女学院を卒業している。
付き合いも長く、色々とアポカリプスたちの世話を焼いてくれた優しい先輩だったが、雰囲気がアポカリプスの知るそれとは若干だが異なる。
記憶の中のホワイトヒートとは“はまらない”。
ああそうか・・・・・・これは“怒り”だ。身を焦がすような赤の住人への怒り。

「アポカリプス・・・・・・甘いよ。サウンドマスターが正しい。奴らはもう、私達にとっては打ち倒すべき敵だ。剣を振り下ろさねばならない」
「あ・・・・ホワイトヒート様、それは・・・・・・」

ホワイトヒートがメロンを口いっぱいに頬張りながらアポカリプスを咎める。

「サウンドマスターは黙ってな。アポカリプス、それにもし今回死んだのがあんただったら・・・・・・ピースキーパーはどうしてたかな?」

ドクン。心臓が高鳴る。
──にやり・・・・・・ホワイトヒートが口元を吊り上げる。

「まぁ、仇討ちするかしないかはあんたの自由。それと裁きの天使様からことづてだよ」
「ジャッジメント様から・・・・・・」
「本日18時、大聖堂に来たれ。じゃ、伝えたから。サウンドマスターもまたねー。早く元気になれよー」

ペラペラになったメロンの皮をゴミ箱に放り込み、そのまま病室から去っていく。

「あの・・・・先輩、あんまり気にしちゃダメですよ・・・・・・?」
「あ、ああ・・・・うん・・・・・・」
「いやー、それにしてもカッコイイですよねー、ホワイトヒート様・・・・まだ心臓がドキドキしてますよぉ〜」
「は、はは・・・・・・」


揺れ動く少女に、裁きの天使は何を進言するのか・・・・・・。









ピースキーパー・エンジェルのかっちょいい日本語読みが思いつきません。
平和守護の天使とか、なんかショボくね?

ニックネーム ある at 17:58| Comment(2) | TrackBack(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月17日

黙示録の日まで1

────キュゥン!!

「固まれ!!離れると狙い撃ちにされるぞ!!」

太陽照りつける不毛の砂漠で、その闘争は繰り広げられていた。
かつて巨大な建造物であった瓦礫に身を隠し、上空に向かって必死に反撃する大集団。
彼らは赤の大陸の住人。歴戦の城砦が白の軍勢に攻撃されていると聞き集まった、赤の戦士達である。
その数はなんと千を超える。日々内戦に明け暮れていた彼らは、“天使”という共通の敵を見出し、今ここに集結したのである。
しかし彼らが今戦っているのは、歴戦の城砦ではなかった。

「糞・・・・・・ハエどもが・・・・・・・・・・!!」

彼らは歴戦の城砦へと向かう途中、ゴーレムの群れに襲われていた。

-----------------------------------------------------------------

「いいぞ、その調子だ。倒す事を考えるな、一ヶ所に誘導する事を優先しろ」

そこから20kmほど離れた場所で、目を閉じレモンハートと呼ばれるゴーレムに手を付け指揮を取っている女性がいた。
その傷一つ無いきめ細やかな肌を持つこの女性は、地の果てのような灼熱の砂漠とこの上なく不似合いである。

「ホワイトヒート様・・・・限界数値到達まであと30秒を切りました・・・・・・!!」
「急げ、演算も終了した・・・・・・あとは向こうが気付く前に撃つだけだ」

白いコクピットのような装置の上に立つのは、やはりこの場に不釣り合いな少女。
外見もホワイトヒートと呼ばれた女性と比べて酷く幼いが、神に慈悲を乞うように手を握り合わせ、膝をつき瞳を閉じたその姿からは必死なほどの真剣さが見て取れる。
額に暑さからではない冷や汗をかき、決死の表情で何かに精神を集中している。
その少女を取り囲むように、3体のペガサスと15体の巨大なゴーレムがそびえ立つ。
ソーサーレッグ・ペガサスと呼ばれる転移装置を備えたペガサスと、
ノックアウトと呼ばれる、戦線における補給用ゴーレムである。
宙を漂う無数の球体に、大気中から恐ろしいほどの魔力が集まる。
その凄まじさは肉眼でも視認できるほどであり、冷気を伴いながら呻りを上げる。
黒の大陸を統べる吸血鬼の一族の中でも、ひときわ魔術に長けたものが時折見せる業だ。
大気中のマナから抽出された魔力はオーロラのカーテンのように美しく見えるというが、物には限度というものがある。
15体ものゴーレムが、その全機能をフル回転させ発せられる魔力の波動は、むしろ酷く禍々しい。

「完了しました!!」
「よし・・・・・・今だ、放て!!サウンドマスター!!」

刹那、少女の体が水晶のように透き通り、ノックアウトが集めた膨大な魔力のおよそ9割以上がその身に収束する。
残り一割は3体のペガサスに振り分けられ、20kmもの距離を一瞬で転移、赤の大集団の中央に音匠の天使とともに降り立つ。
────ぎしり。
空間が軋みを上げる。
込められた魔力が、開放の言葉を待ち望む。

「な、天使!?」

突如として膨大な魔力を伴い光臨した音匠の天使に、戦士達の目が恐怖に見開かれる。

「うおおおおおおああ!!」

千を超える旅団が、一個の殺戮兵器と化しただ一人の天使に襲いかかる。

「鵯の────」

しかしもう遅い。天使の口から破滅の言葉が紡がれる。

「────ヴェンデルカノン!!」

────ガウゥン!!!!

サウンドマスター・エンジェルの鎮座した装置とその周りを漂う円盤が“吼えた”。
限界まで魔力を集めた反動により15体のノックアウトが粉々に吹き飛び、音匠の天使によって奏でられた旋律は、ソーサーレッグ・ペガサスもろとも、赤の大集団を跡形も無く消し飛ばした。

-----------------------------------------------------------------

最初に異変に気付いたのは、この赤の旅団を指揮する若き竜だった。
シングルモルトと呼ばれる“羽根付き”ゴーレムの群れ。先ほどから遥か上空から光線を放ってくるが、全くと言っていいほど当たらない。
(奴らは常に我々と一定の距離を保っている・・・・攻撃も当てる気が無いようなものばかりだ・・・・・・・・・・まさか陽動か!?)
竜が敵に真意に気付いたのも束の間、無数の瓦礫と吹き飛ぶ砂が生み出す膨大な摩擦熱、そして巨大な質量を持った“音”が彼らを跡形も無くこの世から消し去った。

-----------------------------------------------------------------

「見事なものですね。ええ?ホワイトヒート・エンジェル」

暗く広い教会の中に、皮肉めいた女性の声が響き渡る。
十字架を背に向け、跪くホワイトヒート・エンジェルを見下すように立つこの女性。
『シングルナンバーエンジェル』と呼ばれる最高位の機械生命体にして、白の大陸に築かれた単一国家ホーリー・クリスタル・エンパイアにおいて事実上最高の権威を持つ裁きの天使、ジャッジメント・エンジェルである。

「は・・・・勿体無きお言葉」

ホワイトヒートはニヤリと笑い、ジャッジメントの皮肉を柳に風と受け流す。

「歴戦の城砦に集結しつつあった千を超える大集団・・・・・・それを315機の量産型ゴーレムと3機のペガサス、そしてただ一人の天使だけで打ち滅ぼすとは。
機動力のあるシングルモルト300機で敵を翻弄しつつ攻撃範囲内に留め、15機のノックアウトにより限界まで威力を高めたサウンドマスターの爆砕音破兵器『ヴァイネン』によって敵を一掃ですか・・・・・・。
なるほど、非常に良く出来た作戦です。ものの10分足らずであれだけの戦力を消し去ったのですから、
たかが量産機18体の損失など安いもの。確かに“作戦としては”見事なものです」

「先ほどから一体何を仰られたいのですか、裁きの天使殿?」

笑みを崩さないままホワイトヒートが問い返す。

「分かっているでしょう!!」

教会内の空気が氷のように凍てつく。

「サウンドマスターのことです。彼女は優秀ですが、まだ幼いのですよ!?一度にあれほどのエネルギーを行使したのです、重い反動によって喘ぎ苦しんでいます。
今はジェネシスの管理下にある病棟で治療を受けていますが、1週間は反動が抜けないそうです。一体どう責任を取るつもりですか」
「責任も何も・・・・。ただ彼女が今回の作戦において適任だったというだけのこと。年齢は関係ありません。
それにこれは彼女の願いでもあったのですよ?彼女はピースキーパーのことを姉のように慕っていました。」

“ピースキーパー”という一語に、ジャッジメントの瞳が僅かに揺れる。

「それに貴女の言えたことでしょうか?貴女に殺されたも同然なのですよ、ピースキーパーは」

ビクッと、ジャッジメントの肩が反応する。

「貴女が伝道の任務に彼女が就くことを推薦したんだ。また時期じゃなかった。確かに貴方があの子を推薦しなかったとしても、別の天使が犠牲になったでしょう。
しかし、それでも別の未来があったかもしれないと・・・・・・期待せざるをえない」

先ほどまでの笑顔を崩し、鬼神のごとき表情で睨みつける。

「・・・・ぐしゅ」
「・・・・・・は?」

「たしかに・・・・・・っ、わ、私はあの子を推薦しました・・・・・・っ、ひっ、ぐしゅ。で、ででも、あんな・・・・・・・あんなことになるなんて・・・・えっぐ、思ってなくて・・・・・・っ」

──はぁ。思わずため息が漏れる。なんだってこの人は昔からこうなのか。
お偉い地位にいるくせに情に脆く、ちょっと責められるとすぐに泣く。
この人は“正しすぎる”のだ。優しい彼女は誰も泣く事の無い平和な未来を本気で願ってる。
──でも・・・・・・。

「分かった、分かった。つい言い過ぎたね、ごめんよジャジ姉。でもあの子が今回の“トドメ役”を望んだのは本当だし、
なにより時間が無かった。確実に完全なる勝利を呼び込むには、この方法しか無かったんだよ。
それにね、ジャジ姉。キレイ言だけじゃ、何も解決してくれない」

めそめそとしゃがみ込むジャッジメントの頭をぽんぽんと軽く撫で、法衣のポケットから煙草を取り出し、咥える。
シュボ・・・・煙草の先に自然と白い炎が点り、一瞬教会内を明るく照らすと、それは煙草の火種となって消えた。
スゥー────煙を肺一杯に吸い込む。フゥー・・・・・・。ストンとジャッジメントの隣に腰をおろし、煙草の箱をチョイと差し出す。

「もう・・・・そんなのいりません・・・・・・ぐしゅ・・・・いつからそんな風になっちゃったの?昔はお姉さん大好きって言ってくれたじゃない・・・・・・そんなものまで吸っちゃって・・・・」
「だから悪かったって。私も感情的になりすぎたよ。つーかいつの話やら、それ・・・・」

やれやれと大げさに肩をすくめてみせると、やっとジャッジメントの顔に笑顔が浮かぶ。

「まったくもう・・・・・・そうね、貴女の言うとおりかもしれません。でも、できることなら誰も傷つかない方がいいわ。異端者たちは許さない。“塵は塵に帰る”。塵である彼らは塵に帰らねばならない。でも、私達が傷ついては、あの子の弔いにならないわ」
「確かにね。でも戦争で勝利を収めるにはたくさんの対価が必要だ。
その犠牲の少ない勝利とやらを実現するために、今回のような綿密な作戦が必要だったんじゃないの?」
「はぁ・・・・もう口では貴女に敵いそうにないわ。いいでしょう、何がお望み?」

ニヤリ・・・・ホワイトヒートは思わず口元を歪める。

「そうだね、赤の住人は今ちゃくちゃくと戦列を整えつつある。本来頭一つ飛びぬけた攻撃力を誇る大陸だ、結束したときの戦闘力はハンパじゃない・・・・。」
「そうなれば打ち倒すのは不可能?」
「ノン。手立てはある」
「必要なのは?」
「火力。一切合切の有象無象を焼き尽くす、黙示録の火」

ジャッジメントが考え込むように瞳を閉じる。
10秒──30秒──教会内を沈黙が支配する。
不意に、ジャッジメントが口を開く。

「分かりました。あなたに預けます。征きなさい、白熱の天使」
「了解致しました、裁きの天使様。その名の通り、奴らを赤く染め上げてご覧に入れましょう────!!」


狂気と言う名の歯車が、軋みをあげながら回り始めた。















やっちゃったwwwwwwwwwwwwwwwwww

ニックネーム ある at 20:17| Comment(0) | TrackBack(3) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月16日

絵描いたよ

img027.jpg
(画像はクリックで大きくなります)

セカンドのフレーバーストーリーが面白いので、小説を書こうと思います。
絶対読めよな!!
ニックネーム ある at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月15日

もう無理!!

ある「こんにちは、みんなの素敵ドリーマーあるです。
随分更新してなかったねって?すいません、ちょっくら世界を救ってました。
お前らが生きてんのも俺のおかげだから。感謝するように。」

アポ「・・・・・・で、何が無理だって?」

ある「もはやリアクションすら無しですか。いやね、セカンドセンチュリーたっけーのよ。
ブロッコリーは学生プレイヤーを切り捨てたと見たね。GPも予定的に無理だし、そもそも予選行けないし。
やる気ドン底って感じ。
でっさー、ほんと酷いの!!セカンドのレアのレート!!
ほら、僕って白使いじゃん?そうなるとハウンドロックとか組んでみたいじゃない?
そーすっとフェンリルとかフェンリルとかフェンリルが必要なわけよ。
1万も使って2ボックス買っても1枚も当たんねーしさ。嫌んなっちゃうよ。
冥王の鉤爪3枚とか舐めてるよね。決意のジェミニ3枚当たったけども、惜別は当たんないし。
ほんとどうすりゃいいの?ってかんじ。一番酷いのはサーバーチェイス。
なんでこんな素敵ドローエンジンが高レートレアかね。シングルじゃなくてボックスで集めた方が安上がりなんじゃねーの?つーことで妄想デッキ。」


「天使たちのアポトーシスMk2」

牢獄を守る獅子3
ノックアウト3
煌く鋼糸の乙女3
犬闘士チワワ3
花束を奉げる乙女3
犬闘士フェンリル2
サウンドマスター・エンジェル3
轟く斧の乙女3
聖騎士ホーリーバスタード2
アポカリプス・エンジェル1

絶対魔法防壁3
神々の雷2
天国の門3

オーロラ・ウォール3
ハウンド・ファクトリー3


<使い方>
呼声でデカイの出しまくりーの、犬とベースで縛りーの、嫁ぎーの。


ある「いつか僕言ったよね・・・・・・萌えカード1枚積みしてる奴はゴミだって・・・・。
ごめんね、無理なんだ・・・・こんな使いどころゼロの糞カード3枚積みなんて・・・・・・。
ほんとすいません・・・・僕が間違ってました・・・・・・。」

アポ「いや・・・・まぁ謝られてもね・・・・・その、使えなくてすいません・・・・・・。」
ニックネーム ある at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | D-0 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする